社労士独学合格の勉強法①(捨て科目・分野)

これから独学で社労士試験の勉強を始めようと思っている方、あるいは独学で勉強しているけど、試験範囲が広すぎて試験範囲全体にわたって合格レベルの実力を身に着けられないという方に向け、実質7か月の勉強期間で私が意識した勉強法をお伝えできればと思います。

第一弾として、「ここが出たら仕方ない」と割り切って切り捨てた科目・分野をご紹介します。

社労士試験の合格レベルとは

私が合格した第54回(2022年)社会保険労務士試験の合格基準点は以下のとおりです。

  • 選択式:総得点27点以上かつ各科目3点以上
  • 択一式:総得点44点以上かつ各科目4点以上

年によって多少の前後はありますが、例年、選択式・択一式ともに7割弱の得点で合格が可能です。

試験勉強を進めていくと、すぐに理解・暗記できる得意分野と、なぜか何度繰り返しても覚えられない苦手分野が出てくると思います。

もちろん苦手分野は全て克服し、あらゆる問題に対応できる100%の実力を身に付けることが最善ですが、独学・短期では絶対ムリなので、「7割の実力を身に付ければよい」と割り切り、それが重要・頻出分野でない限り、ある程度の割り切り・切り捨ては必要だと思います。

捨て科目・捨て分野とは?

これから私が切り捨てた捨て科目・捨て分野をご紹介してきますが、最初に申し上げておくべきは、捨て科目・捨て分野といっても、まったく手を付けずにゼロの状態で試験に臨んだというわけではない、ということです。

過去問や問題集を何度も繰り返す中で、捨て科目・捨て分野の問題であっても、問題を解き解説はしっかりと読みます。でも、それ以上のことはしない、ということです。

解説を読んでもイマイチ分からなかったり、記憶できなかったりしても、気にせずに次の問題に進みます。過去問や問題集と全く同じ問題や論点を聞かれたら分かるけど、類題や応用問題には対応できないという理解レベルです。

それでは科目別に私の得点戦略(切り捨て戦略)をご紹介します。

選択式切り捨て戦略

選択式は残念ながら切り捨てられる科目、分野はありません。

「各科目3点以上」というのが思いのほかハードルが高く、3回、4回と受験を繰り返している人の大半は、総得点はクリアしていてもある科目で2点以下をとってしまい不合格というケースではないでしょうか。

なんとしても全ての科目で3点とる。そのためには少なくともテキストの本文は全て目を通し、分からない問題が出ても「あ~、どっかで見たなー」というおぼろげな記憶から推測を働かせていけるようにするしかないです。

択一式切り捨て戦略

全般

全ての科目を通じて以下の項目は切り捨てました

  • 罰則
  • 権限委任

罰則はもう覚えるのはムリと諦めてましたが、過去問を繰り返す中で自然と頭に残った以下のポイントだけで勝負しました。

「労基法で最も重い罰則は強制労働で懲役1年以上10年以下」、「労災法の罰則は懲役6月以下30万円以下の罰則しかない」「雇用保険法の罰則も懲役6月以下30万円(or20万円)以下しかない」

権限委任に関しては、これは公務員とか市役所や年金事務所で勤務経験がある人しか全体像分からないし、偏見かもしれませんが公務員優遇のための出題と思って切り捨てました。

労基法

  • 年少者等
  • 妊産婦

この2分野に関しては、私の苦手分野で、当初は記憶を定着させよう頑張ったのですが、なぜか全然記憶を定着させることができませんでした。で、過去問での出題頻度も低かったので、勉強期間後半には割り切って捨て分野としました。

安衛法

安衛法は労基法とセットで選択式5問中2問、択一式10問中3問の出題のため科目自体の優先度を低く位置付けている方も多いと思います。

  • 「安全衛生管理体制」「健康診断、面接指導等」以外

自分自身の労務・人事部門でのキャリアでなじみにある「安全衛生管理体制」と「健康診断、面接指導等」以外は全般にわたり捨て分野としました。

択一式3問中1問でも正解できれば十分と考えました。

労災保険法

  • 社会復帰促進等事業(特別支給金以外)

雇用保険法

なし

健康保険法

なし

厚生年金保険

なし

国民年金保険

なし

労務管理一般

  • 労働契約法と労働組合法以外の法律全般

労務管理一般の諸法令は範囲が広大ですが、過去問でも出題頻度が低かったので思い切って切り捨ててみました。社一は比較的勉強しやすいと思いますので、労一の択一は1~2点取れればいいと思いました。

社会保険一般

なし

諸法令は範囲が広いですが、健康保険法や厚生年金法などと関連付けて勉強できるものが多いので網羅的に学習しました。労一を割り切った分を社一でカバーしなければと頑張りました。

最後に

繰り返しになりますが、「切り捨て」と言っても、全くゼロ対策で試験に臨んだわけではありません。過去問や問題集の問題も繰り返し解いたし、テキストも繰り返し読みました。

ただ「問題解いてテキスト読む」以上の労力はかけない、記憶が定着していなくても気にしない、と割り切ったということです。

本番試験が近づくにつれて、あれもできていない、ここも不安、と焦ってしまいますが、限られた時間でどこにどれだけの時間を割くかの判断要素とする際の参考にしていただければと思います。

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