ジョブ型人事制度、職務等級制度、役割等級制度、職能等級制度、職能資格制度、成果主義、実力主義、年功序列、メンバーシップ型・・・・・
人事制度を表す言葉って、どれも定義がフワっとしているようで分かりづらくないですか?
制度と主義
先日、会社で後輩と昇級・昇格に関してディスカッションをしていたのですが、どうも話がかみ合わなくて気持ち悪かったんです。
後輩が「実力主義を徹底するなら、今の制度自体を変える必要があると思うっす。実力主義を徹底すると言いながら職能等級制度を維持していくっておかしいっすよね」って言うんです。
私が「え?なんで?別に職能等級制度と実力主義って両立するじゃん?」て聞くと、後輩がさらに「だって今までの職能等級制度でやっていく以上、実力主義を徹底できないですよね、順番に昇進していくんだから」と言うのです。
たぶん後輩の頭の中では「職能等級制度=年功序列」なんだなと。「実力主義=職能等級制度以外の人事制度」になっているなと。
こんな感じで、人によって言葉の捉え方がまちまちなので議論がかみ合わないと感じることが多々あります。
「制度」は仕組みのこと。「主義」は制度をどう運用していくかという考え方のこと。
と私は理解するようにしていますが、これもどうなんでしょうか?
新しい言葉が次々生まれる
人事の分野って言ってることややってることはさほど変わっていないのに、新しいコトバが次々と生み出されます。
1960年代の国民所得倍増計画の頃から、同一労働同一賃金の徹底、終身雇用・年功序列の日本型雇用慣行からの脱却と言われ続け、実態はそれほど変わっていないのに、どんどん新しいコトバに言い換えがされるので、それが以前とは別モノなのかコトバが変わっただけで同じモノなのか、ますます混乱してしまいます。
最近では、あえて混乱させられているのではないかとすら思っています。
私のような庶民的人事部員たちが聞きなれないコトバに混乱しているのをいいことに、分かってる風の外コンとかにいいように言いくるめられて、高いコンサル料を払わされているのではないかと。
最近流行りの「戦略人事」とか「BP」とかもホント何のことだかよく分かりません。