社労士 独学での合格体験記

みなさん、こんにちは。

2022年1月下旬から独学で社労士の勉強をはじめ、約7カ月の勉強期間を経て、第54回(2022年度)の試験に運よく合格することができました。

独学で合格を目指す方の参考になればと思い、僭越ながら私の勉強方法をご紹介します。

ただ、7か月の勉強期間と言いながら、実は「自己紹介」記事にも書いたとおり2回目の受験での合格です。1回目と2回目の受験の間に3年間のブランクがあり、暗記した知識はほぼゼロになっていたので自分としては7か月の勉強期間と言っております。。。悪しからず。。。

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自己紹介 1979年生まれ。大学卒業後に新卒で入社した大手インフラ企業にずっと勤務し、キャリアの大半を労務・人事部門で過ごしてきました。 家族は妻と子ども二人。67歳まで続く住宅ローンを抱えた、石を投げれば当たりそうな、どこに[…]

とはいえ2回目の試験勉強を始めた段階で、さすがに各科目の全体像程度は頭に残っていましたので、これから全くのゼロから独学で勉強を始めようという方は、試験範囲全体をインプットする期間としてプラス1~2か月が必要と考えていただければと思います。

使用したテキスト・問題集

基本テキスト

ユーキャン「社労士速習レッスン」

本屋さんで色々な基本テキストを眺めた時に、一番すっきりしていて見やすい気がした、というだけで選びました。

何度も繰り返すうちに「あ~、この論点はテキストのこの辺りにあったなー」と映像で思い出すようになっていたので、「すっきりしている」というのは案外大切なのかもしれません。

過去問題集

社労士試験合格には繰り返し過去問を解くことが一番重要だと思います。

私が選んだのは「山川社労士予備校 社労士 過去問題10年網羅。」です。

以下のポイントからこの過去問題集を選びました。
①一問一答形式になっていること
②10年分(5肢×10問×10年分)で一科目500問と豊富な問題数
③問題番号が1~500までの通番になっていること

①に関しては、詳細は後述しますが私はインプットとアウトプットを同時並行で「一定範囲のテキストを精読」→「該当範囲の過去問を解く」というサイクルで勉強を進めたため、一問一答形式であることが必須でした。

②に関しては、10年分ともなると同じ問題や似た問題が続くことがありますが、それだけ頻出の重要論点ということであり、重要論点の問題を繰り返し解くことにつながりました。

③に関しては、自分がその日に何問解いたのかが分かりやすいです。過去問3周目、4周目になってくると、例えば「健康保険法全体を1週間で通しでやる」とか「全科目10年分3500問を3週間で終わらせる」というやり方になってくると思います。で、「1日平均150問」などペースを決めることになりますが、通番になっていれば「今日は100番から始めたから250番辺りまで」と決めたペースに従って進めやすいです。

この過去問題集のデメリットとしては、4分冊になっているのですが、4冊目の発売が毎年2月頃ということ。必然的に2月にならないと4冊目の科目に手を付けられません。

その他

6月以降の直前期は、以下の問題集を繰り返し解いていました。

社労士試験は試験範囲が膨大で1~2か月かけて全体通して学習していると、1か月前、2か月前にやったなど次から次へと忘れていってしまいます。
なので、ある程度学習が進んでからは、短期間で試験範囲全体を何度も周回することで記憶を呼び覚まし定着させていく必要があります。短期間で全体を何度も繰り返すのに700問程度がちょうどいい分量でした。
あと、この問題集は9割以上の問題の答えが「×」です。「この問題はこの部分が間違っていて、正しくはこう」とイチイチ考えながら解いていくことで、答えを覚えてしまっていて機械的に〇×をつけていくだけ、ということを防ぐことができます。

他の方の合格体験記などを読んでも受験雑誌を活用したという方はあまり見かけませんが、私はこの「月刊社労士受験」はお薦めしたいです。演習問題が多く問題の質もいいです。あと連載企画が秀逸だと思います。私は「計算問題トレーニング」という連載を8ヶ月分切り抜いて問題集にして、何度も繰り返し解きました。
それと毎号巻末に「全科目総合テスト」という「選択式5問×全科目、択一式の一問一答10問×全科目」の連載があったのですが、私は本番直前の2週間はこの「全科目総合テスト」12か月分をひたすら何度も周回していました。

市販の模擬試験も買いました。1回目は時間を計って行い2回目は普通に問題集として解くやり方で、2回分×2回やりました。
市販の模擬試験は法改正分野がもれなく問題化されていて、過去問にない法改正分野がどのように出題されるかイメージできるのでよいと思います。
ただ、予備校の模擬試験もそうですが、本番試験に比べて明らかに難易度が高く、直前期に意気消沈させられるという諸刃の剣でもあります。

勉強の進め方

約7か月間の勉強期間を大別するとこんな感じになります。

1月~5月インプットとアウトプットの同時並行
6月~7月予備校模試や市販模試を活用したアウトプット
8月「月刊社労士受験」を活用した全体おさらい、苦手分野克服、白書対策

1月~5月 インプットとアウトプット同時並行期

この時期、基本テキスト精読+過去問でインプットとアウトプットを並行し、10年分過去問を4周しました。

1回目は一定範囲の基本テキストを精読してから該当する部分の過去問を解きました。こうすることで基本テキストに書いてあることのどの部分を特に理解し覚えなければならないのかが分かったと思います。

2回目は一定範囲の過去問を解いてから、該当する部分の基本テキストを精読しました。こうすることで自分がどこを忘れてしまっていたのか、何を分かっていないのかが明確になったと思います。

3回目は平日100~150問/日、休日300~350問/日とペースを決めて過去問を進め、忘れていた項目、間違えていた部分だけを基本テキストで確認しました。

4回目はさらにペースをあげ、記憶が定着していない項目だけ基本テキストで確認しました。

6月~7月 アウトプット期

「〇×答練 徹底攻略」を3回繰り返しつつ、市販の模擬試験を2回分×2回行いました。予備校の模擬試験も2回受験しました。

どの模擬試験の結果も合格ラインには程遠い点数で、今年の合格は到底無理なのではないかと不安になった時期でした。今になって思うと模擬試験の難易度は明らかに高すぎです。

8月 直前期

「月刊社労士受験」6月号と7月号を活用して白書、統計資料対策をしました。白書や統計資料の現物には一切目を通しておらず、白書、統計資料対策は「月刊社労士受験」のみです。

あとは「月刊社労士受験」の全科目総合テストをひたすら周回したり、計算問題トレーニングやったり、8月はとにかく「月刊社労士受験」しかやってなかった気がします。

勉強の取り組み方

社労士試験に合格するには1000時間の勉強時間が必要だとか言われており、本番試験までの残日数から1日あたり3時間とか4時間の必要な勉強時間を割り出す。で、勉強時間を確保するためにスキマ時間も活用して、、、、という勉強への取り組み方は一切しませんでした。

確かに勉強時間が多い方がいいのでしょうが、それよりも試験範囲全体を何周するかの方が重要かなと思います。1000時間かけてじっくりと試験範囲全体を1回勉強したとしても合格はムリですし。

1月に試験勉強に取り掛かったときに大まかに立てた計画は

・4月までに過去問を4周回

・5月、6月は模擬試験や他の問題集を解きまくる

・7月、8月で過去問をさらに3周回

というものでした。「7回読み勉強法」というのがあり、私の能力ではさすがに読むだけでは無理ですが、過去問7周回もしたら全て覚えられるかなっていう安易な計画です。

ゴールデンウィーク前後は中だるみで全く勉強しない日が続いたりして、過去問7周回するという計画は全く達成できませんでしたが、それでもぼんやりと繰り返しが大切とは思っていて、手を付けた問題集はどれも最低2回は周回しました。

あと、スキマ時間活用とか朝活も私にはムリでした。1日最低〇時間の勉強時間を確保する、という目標は立てていなかったので、やれるときに気力が続く限り勉強するというスタイルで、平日は夜1時間半~2時間、休日は4~6時間、というペースに落ち着きました。

結果して7か月で合計450~500時間程度の勉強時間だったのではないかと思います。

やってないこと

試験勉強期間中にやってないことは

・ノートを作ること
 →書いて覚えるために覚えたいことを何度も乱雑に書いたりはしていました
・基本テキストにマーカーで線を引いたり付箋を貼ること
 →最初に大切と思って線を引いたことがそれほど大切じゃなかったりしますしね
・講義動画の視聴
 →テキスト読むだけでは分からないような難しいことって社労士試験にはないと思います。
・白書や統計資料の現物の読み込み
 →試験対策だけなら現物読み込むのは時間の無駄かなって
・スキマ時間活用や朝活
 →やれたらよかったんですが、愚図な私には単純にムリでした

生活スタイルや今のお仕事によっては全然参考にならない部分もあるかとは思いますが、これから社労士試験に取り組もうという方に少しでもお役に立てたら幸いです。

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