社労士独学合格法⑤(テキストへの書き込みはアリ?ナシ?)

独学で社労士試験合格を目指す方に向けて、実質7か月の勉強期間で独学合格した私の勉強法をご参考までにお伝えできればと思います。

今回はテキストや過去問集の使い方、具体的にはテキストや過去問集にどんどん書き込みをしていった方がいいのか?ということを考えたいと思います。

結論から申し上げると、独学で効率的に合格を目指すなら、私は「テキストへの書き込みは非効率」と考えています。(「してはいけない」とまでは考えていません)

独学者が目指すべき水準

「独学でできるだけ短期間で合格する」ということを考えた時に、社労士試験の本番で満点を取る必要はありません。正答率7割で合格できます。

本番試験では過去問では見たことないものやテキストに書いていないことが出題されることもありますが、未見の論点だけで3割を超えてくることはないはずです。過去問を何度も繰り返すことで十分合格水準の実力は身に付けることができ、独学者にとっては過去問集が勉強の中心となると思います。

また、市販のテキストは確かに試験に出題される可能性があることが100%漏れなく網羅されているわけではないかもしれませんが、市販のテキストに書いていないことはインプットする必要がないとも言えます。

私もテキストでなかなか記憶できない部分や特に覚えづらい部分に赤ペンで下線を引く程度の作業はしましたが、それ以外の書き込みは行わず、市販のテキストを100%信用して勉強を進めました。

書き込み推奨理由

ネット界隈を拝見していると、基本的には「テキストには書き込みをしまくって、自分なりのテキストを作り上げることが合格への最短ルート」という意見が大勢です。

しっかり書き込みをしていった方がいい理由として挙げられているのが、

  • テキストだけで重要箇所の把握ができるようになる。効率的なインプットには情報が一カ所にまとめられているべき。
  • 直前期は書き込みをしたテキストを見直すだけでよい。書き込むことで最高のテキストになる

社労士試験ブログではほぼ100%テキストへの書き込みが推奨されていますが、その理由をまとめると上記2つぐらいに集約されるかと。

テキスト書き込みにあんまり意味がない理由

前提として、このブログを見ていただいている方が「できるだけ短期間でサクッと合格したい」と考えているとしています。

あと、私は資格スクールに通ったことがなく資格スクールのテキストも使ったことがないため、資格スクールのテキストをメインで使っている方は話が別かもしれません。ちょっとそこは分からないです。

割に合わない作業

テキストに書き込むからには、見直した時に読める文字、解読できる図表などである程度丁寧に書き込む必要があります。単純にそれだけの労力をかけて書き込みをしても、実はそれほど理解・記憶の定着につながらないと考えています。

社労士試験は膨大な試験範囲を理解して覚える作業の繰り返しで、常に忘却との戦いです。

書くという作業は記憶にはとても有効ですが、テキストに丁寧に一度書いただけで覚えられるものではありません。何度も書いてみることが重要だと思います。

私も記憶するために「書く」作業をしましたが、テキストに書き込むのではなく、ノートに書き込みました。後で見返すためではなく、その場で記憶にしっかりと書き込むための作業なので、字は乱雑、表や図なども後で見たら何が書いてあるか分からない雑なものを何度も何度もノートの余白に書いていました。

最近では、受験勉強や試験勉強に綺麗なノートを作ることに意味はない、という論調が世の大半になっているのではないかと思いますが、テキストに綺麗に書き込むことも、単なる作業であって、労力の割にはそれほど意味のない作業ではないかと考えています。

手間が記憶を定着させる

テキストへの書き込みを推奨する理由として、情報の一元管理ができることがよく挙げられています。

テキストを読んだり問題を解いたときに、「あー、これと似たような話あったな~、どこだっけな~、あー忘れちゃったなー」ということが本当によくあります。

テキスト書き込み推奨派は、こういう時に書き込みしてあれば、「あれどこだったっけなー」を探す必要がなくなるから、それが効率的で良い!ということです。

でも、私にとっては、「あー、あれどこだったっけなー」をテキストや過去問のあちこちを探して見つけるという作業が記憶の定着につながったと感じています。気になってどうしようもなくなり、全てのテキストや問題集をひっくり返してやっと見つけた時の爽快感とともに記憶にもしっかりと残っていったと思います。

感情や行動と一緒に記憶したことはなかなか忘れられないものになると思います。

書き込みが必要ないテキスト

独学者向けの私のおすすめのテキストは、ユーキャンの「社労士速習レッスン」ですが、書き込む余白もなければ、書き込む必要がない程度には必要な情報は図や表も使って網羅・洗練されていると思います。

むしろ書き込んだり、むやみやたら様々な色のマーカーで線を引くことで、逆に見づらくなったりするとまで思ったりしています。

テキストへの思い入れが強くなりすぎる

こちらの記事でも書いていますが、複数年にわたって受験する場合、社労士試験のテキストは毎年最新版に買い直すべきと考えています。

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テキストに丁寧に書き込みを行って、自分だけの最高のテキストが出来上がって、その年不合格だったら、、、テキストの買い替えに躊躇してしまいそうな気がします。そこまで思い入れのあるテキストを捨てて、新しいテキストに買い換えられるのかなと。

問題集の解説への書き込み

私はテキストへの書き込みはしませんでしたが、使用したこちらの一問一答式の過去問集の解説部分には多少の書き込みは行いました。

過去問集の、特に一問一答式の過去問集の解説は限られたスペースしかないので、その問題を解くために必要なことしか書いてない場合があります。

なので、テキストにある表を転記してみたり、問題を解くことで自分なりに理解できたことを表にして書き込んだりしていました。ただ、それも本当にわずかな分量ですが。

まとめ

綺麗なノートを作ったり、丁寧にテキストに書き込むことは非効率な作業だとは思いますが、「書く」という作業自体を否定するものではありません。

むしろ記憶するためには「書く」ことが有効だと考えています。なかなか覚えられない数字や用語を赤ペンでグリグリと囲んだり、余白に何度も数字や用語を書き込んだり。

ただ、「書く」のは記憶するためのその作業程度にとどめて、1周でも多く、1問でも多く過去問や問題演習を行うことが独学合格への最短ルートだと考えています。

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